一般社団法人日本出版著作権協会(略称JPCA)使用料規程
2013年10月9 日現在
第1章 総則
第1条(目的)
本使用料規程は、一般社団法人日本出版著作権協会(以下「協会」という)が管理する著作物並びに二次的著作物の使用料を定めることを目的とする。
第2条(取り扱う著作物の種類)
本使用料規程で取り扱う著作物は、次のとおりとする。
・ 学術研究書、文芸書その他、言語の著作物
・ 写真集その他、写真の著作物
・ 地図帳その他、図形の著作物
・ 美術書、マンガ、イラスト集その他、美術の著作物
第3条(取り扱う著作物の利用方法)
本使用料規程で取り扱う著作物の利用方法は、次のとおりとする。
・ 著作物の頒布を目的としない複写
・ 著作物の頒布を目的とした複写及び譲渡
・ 著作物のファクシミリ送信
・ 著作物の出版等
・ 映画化等での利用
・ 放送等での利用
第4条(用語の定義)
この規程における用語の定義は、次のとおりとする。
・ 「複写」とは、出版物の紙面からの複写複製又はその複製物からの複写複製をいう。
・ 「ファクシミリ送信」とは、出版物の紙面又はその複製物のファクシミリによる公衆送信及び送信先の受信装置でのプリントアウトをいう。
第2章 著作物の頒布を目的としない複写
第5条 (契約方式)
利用者は、以下のいずれかの方式により許諾契約を締結しなければならない。
・ 個別許諾契約
複写等を行う都度、協会から許諾を得、使用料を支払う方式。
・ 包括許諾契約
1年間の複写を包括的に許諾する方式で、次の3方式がある。
ア 実額方式
利用者が出版物の複写等の全記録を取り、一定期間ごとに協会に報告し、複写量に基づいて使用料を支払う方式。
イ 定額調査方式
協会が利用者と協議してサンプル調査を行い、その結果に基づき利用者と協会が協議して年間推計複写使用量を決定し推計複写量に基づいて使用料を算出
する方式。
ウ 簡易方式
下記の4方式から利用者の複写実態に合わせて一つを利用者が選択することができる。
a 利用者が合理的根拠に基づく複写実態調査により自主申告する推定複写量による年間使用料額の決定方式。
b 全コピー機台数に基づく年間使用料額の決定方式。
c 全従業員数に基づく年間使用料額の決定方式。
d 全従業員数と全コピー機台数に基づく年間使用料額の決定方式。
第6 条 (使用料)
・ 個別許諾方式
使用料=2円×複写される出版物の頁数×複写部数
ファクシミリ送信を伴う場合は2 円を10 円として適用する。
・ 包括許諾契約
ア 実額方式
報告対象期間の使用料=2円×報告対象期間の複写量
イ 定額調査方式
年間使用料=2円×年間推計複写量
ただし、ア、イ共にファクシミリ送信を伴う複写及びファクシミリ送信のみの利用の場合は2 円を10 円として適用する。
ウ 簡易方式
以下の4つの計算方法の中から一つを利用者が選択し使用料を算出す
( ア) 年間使用料=2円×年間推計複写量
( イ) 年間使用料=5,000 円×全コピー機台数
( ウ) 年間使用料=40 円×全従業員数
( エ) 年間使用料=(20 円×全従業員数) + ( 全コピー機台数× 2,000 円)
ただし、利用者が、研究費対売上高比が5%以上の企業の場合、
(ウ) の40 円は48 円、(エ) の20 円は24 円とし、
研究費対売上高比が1%未満の企業の場合、
(ウ) の40 円は32 円、(エ) の20 円は16 円とする。
第3章 著作物の頒布を目的とした複写及び譲渡
第7条 (契約方式)
本協会が管理する著作物を第三者に提供することを目的として複写しようとする者は、協会と、次の2種類の個別許諾契約のいずれかの方式による許諾契約を締結しなければならない。
・ 個別申請方式
複写利用する著作物を特定した個別の申請に基づき、使用料を支払う条件で許諾契約を締結する方式
・ 期間限定一括方式。
3 ヶ月以内の利用計画をとりまとめた利用者の事前申請に基づき、許諾契約を締結し、利用者が結果を報告し、使用料を支払う方式。
第8条 (使用料)
許諾契約における使用料は、以下に定めるとおりとする。
使用料=10 円×複写される著作物の頁数×複写部数
なお、この金額には、著作物の複写権および複写物を第三者へ供与する権利(譲渡権)の使用料を含む。
第9 条 (頒布の場合の表示義務)
・ 利用者は、第三者に提供する複写物に、著作権表示および無許諾での二次的複写等が許されないことを明記しなければならない。
・ 第三者への提供が有償、無償を問わず上記表示をすること。
第4章 著作物のファクシミリ送信
第10条 (契約方式)
利用者は、個別許諾契約又は包括許諾契約のいずれかの方式により許諾契約を締結することができる。
第11条 (使用料)
・ 個別許諾契約
ファクシミリ送信の使用料は、以下に定めるとおりとする。
使用料=10 円×ファクシミリ送信する著作物の頁数×送信先数
・ 包括許諾契約
包括許諾契約による場合は、包括許諾契約アの方式によるものとし、報告対象期間の使用料は、報告対象期間内に送信された出版物ごとに、上記(1) により
算出した使用料を合計した額とする。
第5 章 著作物の出版等
第12 条 (翻訳の使用料)
言語の著作物を翻訳して出版する場合は、当該書籍の売上げ1冊につき、以下に規定する割合で当協会と利用者が合意した率を乗じた使用料を支払うものとする。
当該書籍の売上げ1冊につき
3000部以内 当該書籍の定価の10%から13%
3000部~10000部まで 当該書籍の定価の1 1%から14%
10000部以上 当該書籍の定価の1 2%から15%
なお消費税相当額は別途加算される。
第13条 (文庫化)
言語、写真、図形、美術の著作物を文庫化する場合は、当該書籍の売上げ1冊につき、定価に以下に規定する割合で当協会と利用者が合意した率を乗じた使用料を支払うものとする。
当該書籍の定価の10%から15%。
なお消費税相当額は別途加算される。
第6 章 映画化等での利用
第14 条(映画化)
放送を目的として制作する映画以外の映画制作における著作物の使用料は、番組制作費や提供価格等を斟酌し、500万円を上限として利用者と本協会が協議して定める額とする。
第7 章 放送等での利用
第1 節 日本放送協会の放送等での利用
第15 条(全国中継における利用)
日本放送協会が、全国中継放送番組で著作物を利用する場合の使用料は、著作物1件1回につき、放送時間30 分番組として利用する場合を基準として、以下に定める額の範囲で、当協会と協議して定める額とする。
・ テレビジョン放送の場合 10万円以上24 万8000 円以内
・ ラジオ放送の場合 4万2000 円以上12 万5000 円以内
ただし、放送時間が30 分未満又は30 分を超える場合の使用料は、上記基準使用料に5分を単位として算出した額を増減し定める額とする。
第16 条(全国中継以外の放送における利用)
日本放送協会が、全国中継以外の放送(以下「ローカル放送」という。)に著作物を利用する場合の使用料は、前条に定める使用料に次の料率を乗じた額とする。
・ 東京、地域拠点局のローカル放送の場合 63%
・ 上記以外の各放送局のローカル放送の場合 36%
ただし、 ローカル放送が、前項の各ローカルの2以上にまたがり行われる場合の使用料は、関係各ローカルのうちの最も高い使用料額を適用する。
第17 条(脚色・翻訳等における利用)
日本放送協会が、著作物を脚色・翻訳等して利用する場合の使用料は、前2条に定める使用料にそれぞれ次の料率を乗じた額とする。
・ 脚色85%
・ 翻訳80%
・ 構成50%
・ 編集40%以内
第18 条(リピート放送における利用)
日本放送協会が、全国中継放送番組をリピート放送する場合の使用料は、第15 条から第17 条に定める額と同額とする。ただし、国際放送及び学校放送番組においてリピート放送する場合で、そのリピート放送が放送の日から2週間以内に行われる場合 の使用料は、第15 条から第17 条で定める額の50%の範囲内で、利用者と本協会が協議して定める額とする。
ただし、 日本放送協会が、ローカル放送においてリピート放送する場合の使用料は、第16 条の規定と同額とする。
第19 条(著作物の一部分、小品等の利用)
日本放送協会が、著作物の一部分、詩、短歌、俳句及び川柳等を放送番組において利用する場合の一篇の使用料は、実使用時間5分を単位とし、次により本協会と協議して定める額とする。
・ 著作物の一部を利用する場合は、テレビについては2 万円を上限とし、 ラジオについては1 万円を上限として利用者と協議して定める額。
・ 詩 1万1000 円を上限として利用者と協議して定める額。
・ 短歌、俳句、川柳など5500 円を上限として利用者と協議して定める額。
第2 節 一般放送事業者等放送等での利用
第20 条(全国ネットの放送における利用)
一般放送事業者等(日本放送協会を除く放送事業者等をいう。以下同じ。)が、全国ネット放送で著作物を利用する場合の使用料は、著作物1件1回につき放 送時間30 分番組として利用する場合を基準として、以下に定める額の範囲で、当協会と協議して定める額とする。この場合において、キー局が放送を行ってから6ヶ月以 内に各ネット局が各1回その放送を行うことは、全国ネットによる著作物1回の利用とみなす。
・ テレビジョン放送の場合 9万5000 円以上25 万円以内
・ ラジオ放送の場合 4万円以上9 万5000 円以内
第21 条(全国ネット以外の放送における利用)
一般放送事業者等が、全国ネット以外の放送に著作物を利用する場合の使用料は、前条で定める額の範囲内で、利用者と本協会が協議して定める額とする。
第22 条(リピート放送における利用)
一般放送事業者等が、全国ネット放送でリピート放送する場合の使用料は、第20条の規定を準用し、そのリピート放送が放送の日から10 日以内に行われる場合の使用料は、同条で定める額の30%の範囲内で、利用者と本協会が協議して定める額とする。
ただし、全国ネット以外の放送でリピート放送する場合の使用料は、前条の規定を準用し、利用者と本協会が協議して定める額とする。
第23 条(著作物の一部分、小品等の利用)
一般放送事業者等が、放送番組において著作物の一部、詩、短歌、俳句及び川柳等の著作物を利用する場合の一篇の使用料は、実使用時間5分を単位とし、次により利用者と本協会が協議して定める額とする。
・ 著作物の一部を利用する場合は、テレビについては2 万円を上限とし、ラジオについては1 万円を上限として定める額。
・ 詩 テレビについては2万円を上限とし、ラジオについては1 万円を上限とし定める額。
・ 短歌、俳句、川柳などは、前号の額の半額とする。3000円を下回る場合は3000 円とする。
・ 1回の放送番組中で、同一作品をくり返し利用する場合は、これを1回の利用とみなす。
・ 同一著作者の著作にかかる短歌、俳句、川柳など数種を1回の放送番組中に利用する場合は、その料金を減額することができる。
第24 条(その他)
その他本規程の規定を適用することができない利用方法により著作物を利用する場合は、著作物利用の目的および態様、その他の事情に応じて利用者と協議のうえ、その使用料の額または率を定めることができる。
附則(実施の日)
この使用料規程は、文化庁長官が届出を受理した日から起算して30 日を経た日から実施する。