本の権利は、出版社が守らなければならない!
Googleは一体、何をしているのでしょうか。
図書館の蔵書から無断でスキャニングし続けているのです。
何の権利が、侵害されているのでしょうか。
スキャニングされた出版物の権利が侵害されているのです。
出版物の権利は誰が持っているのでしょうか。
出版物の権利は、製造者である出版者(社)がもっているはずのものです。
多くの海外の国では、著作者の権利とともに、伝達者の権利としてパブリッシャーズライツ(出版者の権利)を出版社に認めています。
Google「和解」案に参加するにしても、あるいは拒否するにしても、当事者として行動できる出版社の権限が法的に保証されています。
Googleの行為が、明らかな脱法行為であると訴える権利も、著者と同様に、当該の出版社が当然有しているのです。
この件でドイツとフランスで訴訟が起こっていると聞きますが、それも、きわめて、自然な対応です。
しかし、現状の日本の著作権法には、著作と出版物は別のものなのに、出版社に関して伝達者としての権利の規定がありません。
出版社の権利が明らかでないのです。そのため、通常の出版契約では、第三者による出版物の利用については、対応できません。
出版界の主導的な人たちはこの状態を長らく放置してきました。放置すべきしかるべき理由があったのかもしれません。
2つのことが必要です。
一つ目は、出版社の権利(パブリッシャーズライツ)を早急に確立することです。 そのためには、著作権法の改正が必要です。
二つ目は、個々の出版契約によって、本の権利を守っていくことです。 JPCAは、2004年に、出版契約書を作成しました。これは、単に本を出版するという契約ではありません。様々な、第三者による著作権使用についても規定しています。法的確立がない現状では、個別の出版契約で、権利を保全していく以外に出版物の権利は守れないのです。今から始めても決して遅くはありません。
そして、全出版界の声として、出版社の権利(パブリッシャーズライツ)の法的保証を実現していきましょう。
JPCA(有限責任中間法人 日本出版著作権協会)